本番

でっかいキャリーバッグを持って羽田空港に向かう。キャリーバッグが大きすぎるせいで、全ての荷物を入れても半分くらい余っていてスカスカだった。

友達と行くのは初めての海外旅行。向かう先はドイツだ。(私はどこでもいいからヨーロッパに行きたかった)

 

9月前半は2つやっているバイトのどちらにも一切入らないくらい過密スケジュールで、いわゆる"本番"というか、今まで準備してきたことが実現する期間になった。

 

サークルで最も大きなイベント(?)が終わり、私はなんとも表現できない気持ちになった。正直、始めから終わりまで実感がなく、気付いたら終わっていて少し取り残されている気がしないでもない。仕事をばりばりするのが得意だなと思った。はっきり言ってしまえば「成功してよかったね!」って思ってしまったのだった。それでも自分にとって良い日なのも間違いなかった。いろんなものが詰まった一日だった。人の中に踏み込んでいくのがひどく苦手で勝手に孤独を感じていた私が少し救われたりした。

 

最近お酒弱すぎてうける、迷惑かけてごめんな。顔は赤くならなくなったと言ったら、身体は強くなってメンタルは弱くなったんだね、と言われた。その通りだ。

お酒を飲まなくても本当はいつだって泣きたい。でも言いたいことたくさんあるのに、訳分からなくなってしまって何一つ伝えられていないような気がする。コミュニティを失う怖さは、人格を一つの捨てるような怖さだ。大切なものを自分で捨ててしまいがちで、そんなのやめたいけど、やっぱり私は不器用で持っていると持て余してしまう。いや勘違いしないでほしい。言いたいことはこれでもない。

 

文章を打っている間に空港に着いてしまった。

最初から忘れ物と遅刻をぶちかましてくる友達とドイツに行ってくるね、予想外の出来事も全てが楽しいに違いない。